blog2014/05/04

春の渓流「カワマス」

5月に入りました。そろそろ田植えの準備が始まるのでしょうか。あぜ草刈り、畦(あぜ)ぬり、水張。
とある山里の川、農薬で魚がいなくなった川であることを地元の方から聞かされていたので残念に思っていましたが、去年の田植えの時期に魚の存在情報を得て、確かめてみたいと思っていました。まだ、草が生い茂っていないこの時期は、土手の様相もわかり、なんとか川に降りることができます。2週間前に魚が居そうなポイントを下見してフライは振れそうにないことを確認しましたので、餌(ミミズ)で探ることにします。

カワマス

カワマス



水が落ち込んで渦になった後あたりでウキが沈んでいきます。ヒットしました。20cmもないでしょうか。やはり居たのですね。イワナ?ヤマメ?アマゴかな…一匹釣ったので、上へ場所を移動。同じ種類の魚。途中に落差があっても居るのですね。さらに上へ行ってまたゲット。
カワマス

カワマス

釣った魚はダメージを与えないように網で取り込み、慎重に針をはずして、手が体に触れないようリリース。地元の人に魚の種類を尋ねても首をかしげます。結局家に帰って、釣りの本で「カワマス(ブルックトラウト)」という北米産の魚であることが判明しました。

魚が棲むことができない漁業権のない川、情報もなく釣り人もあまり見かけないのだと思っていましたが、まだ集落に人が今より多かった頃に、養殖をしたか、釣業者が放流したかで、密かに育てられていたのかもしれません。

これまで現地で色々聞き込みはしても、かるくあしらわれて相手にされませんでしたが、自慢げに釣った魚の画像を見せると少し打ち明けてくれます。実は釣りはノットウェルカムなのでした。トラブルがないよう気を使ってくれていたのでしょう。まあ、魚が復活して、生命のある川であることを知ったことで、ここ数年来の靄は晴れ、私自身の里の価値は以前より向上しました。たまたま、ほんの短い間の川に近づける時期でもありましたし、魚の習性上、しばらく同じ場所では釣れないでしょう。農薬の使用も減った現在、これからも魚は棲み続けるのでしょう。里山でのステキ発見です。